Sakutio 無音カッターで音声は流出する?通信内容を実際に確認しました
Web上で音声や動画を編集するとき、「選んだファイルがサーバーへ送られるのでは?」「録音内容が外部へ流出しない?」「ブラウザ内で処理すると書いてあるけれど、実際にはどのように処理されているの?」と気になることがあります。
Sakutio 無音カッターは、選択した音声・動画をサーバーへアップロードして加工する方式ではありません。ただし、Webページである以上、通信そのものが一切発生しないわけではありません。
そこで、MP3・WAV・M4A・MP4・MOVの5形式を実際に処理し、ファイルを選んでから完成ファイルを保存するまでの通信内容とファイル処理の流れを確認しました。この記事では、その確認結果をもとに、どのような通信があり、選択したファイルがどこで処理されているのかを説明します。
この記事でわかること
- 選択した音声・動画がサーバーへ送信されるのか
- 「ブラウザ内で処理」とはどういう意味なのか
- 実際にどのような通信が発生しているのか
- ページの性能計測で送られる情報
- 今回確認した範囲と、確認範囲外となる問題
目次
結論:音声・動画をサーバーへ送って処理する方式ではありません
選択した音声・動画ファイルは、無音検出やカットのためにサーバーへアップロードして処理する仕組みにはなっていません。ファイルの読み込み、無音部分の検出、カット処理、完成ファイルの作成はブラウザ内で行います。
今回、次の5形式を実際に処理しました。
- MP3
- WAV
- M4A
- MP4
- MOV
確認した流れは、ファイル選択 → 無音検出 → プレビュー → カット → 保存です。
この一連の操作中に、選択した音声・動画本体を外部へ送信する通信は確認されませんでした。
「通信がある」ことと「ファイルをアップロードする」ことは別です
このツールはWebページなので、インターネット通信そのものは発生します。たとえばページを表示したり、処理機能を動かしたりするために、
- HTML
- CSS
- JavaScript
- 無音検出やカットに使う処理プログラム
- WebAssembly(WASM)
- Worker
などをブラウザへ読み込みます。これは、Webページや処理プログラムをインターネットから受け取る通信です。
一方、ユーザーが選んだMP3や動画をサーバーへ送信する通信とは別です。
今回の確認でも、処理プログラムを読み込む通信は発生しましたが、選択した音声・動画本体のアップロードは確認されませんでした。
そのため、このツールの通信については、「通信は行われるが、選択した音声・動画をサーバーへ送って無音カットする方式ではない」という表現が正しいです。
選択したファイルはどこで処理される?
ファイルを選ぶと、ブラウザはそのファイルをWebページから扱えるデータとして受け取ります。プレビューには、ブラウザ内部のファイルを参照するための blob: という形式のURLを使用します。これは一般的なWebサイトのURLとは異なり、ブラウザ内にあるデータを参照するためのものです。
無音検出やカットには、ブラウザ上で動作するFFmpeg.wasmを使用しています。
処理の流れを簡単にすると、
ユーザーのPC上のファイル
ブラウザ
ブラウザ内のFFmpeg
無音検出・カット
完成したデータを作成
ユーザーのPCへ保存
となります。サーバーへファイルを送り、加工後のファイルを受け取る方式ではありません。
実際の通信を確認しました
今回は本番環境で実際にファイルを処理し、ブラウザから発生した通信を記録しました。ページを開いた際には、画面表示や処理に必要なファイルの読み込みが行われます。
また、初めて無音検出を実行する際には、ブラウザ内で処理を行うためのFFmpeg関連ファイルも読み込まれます。一方で、MP3・WAV・M4A・MP4・MOVを処理した際、音声・動画本体を含むアップロード通信は確認されませんでした。
さらに今回確認した環境では、
- localStorage
- sessionStorage
- Cookie
- IndexedDB
- Cache API
- Service Worker
に、選択したメディアファイルを後から送信するために保存する処理も確認されませんでした。
非送信の判断は、これらの画像だけでなく、既存の通信ログと実装確認も合わせて行っています。
Methodの見方
GETは、ページや処理に必要なファイルなどを取得するときに使われる通信です。POSTは、ブラウザ側からサーバーへ情報を送るときに使われる通信です。ただし、POSTがあるだけで音声・動画本体が送られているとは限らないため、送信内容も合わせて確認しています。(通信確認②)
実測した通信の主な内容
| 通信 | 用途 |
|---|---|
| HTML / CSS | ページ表示 |
| JavaScript | ツールの動作 |
| FFmpeg関連ファイル | ブラウザ内での無音検出・カット |
| Worker | FFmpegの処理 |
| ページ性能情報 | 表示速度や操作性能の計測 |
| 選択した音声・動画本体 | 送信は確認されませんでした |
| 完成した音声・動画本体 | 送信は確認されませんでした |
参考:対応5形式の実測記録
今回の確認では、MP3・WAV・M4A・MP4・MOVについて、実際に無音検出からカット・保存まで完了することも確認しました。
これは通信内容そのものの説明ではありませんが、実際のツール動作を確認した記録として掲載しています。
| 形式 | 確認した操作 | 結果 | 実測記録 |
|---|---|---|---|
| MP3 | 無音検出 → カット → 保存 | 確認済み | |
| WAV | 無音検出 → カット → 保存 | 確認済み | |
| M4A | 無音検出 → カット → 保存 | 確認済み | |
| MP4 | 無音検出 → カット → 保存 | 確認済み | |
| MOV | 無音検出 → カット → 保存 | 確認済み |
ページ表示の性能を測るための通信はあります
サイトを公開・配信するために利用している外部の配信基盤(XサーバーのようなWebサイト公開用のサービスで、現在はCloudflareを利用しています)では、ページの表示速度や操作性能を確認するための計測も行われています。今回確認された送信内容には、たとえば、
- 閲覧しているページ
- ブラウザの種類
- ページの読み込み時間
- JavaScriptのメモリ使用量
- 表示速度に関する数値
- 操作への応答時間
- 性能測定の対象となった画面要素
などが含まれていました。
実際の通信内容も確認しましたが、今回確認したデータには、
- 選択した音声の中身
- 選択した動画の中身
- 完成した音声・動画
- 処理後のファイルデータ
- 元ファイルのメタデータ
は確認されませんでした。(通信確認②)
つまり、ページの利用に伴う通信はありますが、音声・動画本体を送信する通信とは別のものです。
運営側に音声や動画が保存される?
現在の処理には、選択した音声・動画を無音カットのためにサーバーへアップロードし、運営側で保存する仕組みはありません。
ただし、通常のWebサイトと同様に、ページへのアクセスや性能計測などに伴う通信情報まで一切発生しないという意味ではありません。
今回の確認範囲外となる問題について
今回確認したのは、
- 正常に動作しているWebサイト
- 正常なブラウザ
- 一般的な音声・動画ファイル
- 通常の操作
という条件で、このツール自身や通常の配信処理によって音声・動画本体が外部へ送信されるかどうかです。この条件では、音声・動画本体を外部へ送信する処理は確認されませんでした。
一方で、Webツールの通常動作とは別に、
- 利用している端末のマルウェア
- 悪意のあるブラウザ拡張機能
- ブラウザ自体の脆弱性
- 通信環境(公共Wi-Fiなど、通信が傍受されやすい環境)や端末側の問題
- Webサイトや配信環境そのものが外部から侵害された場合
など、運営側の通常処理とは別の要因によるリスクをすべて排除できるものではありません。これらは今回確認した「ファイルを選択して無音カットする通常の処理」とは別のセキュリティ上の問題になります。
特に機密性の高いファイルをWebサービスで扱う場合は、今回の確認内容も判断材料の一つとして、用途や必要な安全性に応じて利用を判断してください。
よくある質問
ファイルを選択しただけで送信されますか?
現在の実装では、選択したファイルを無音カットのためにサーバーへアップロードする処理はありません。ブラウザが受け取ったファイルを、そのブラウザ内で利用します。
「無音部分を調べる」を押すと送信されますか?
無音検出はブラウザ内で動作するFFmpeg.wasmを利用して行います。処理プログラムを読み込む通信はありますが、今回の実測では選択した音声・動画本体を送信する通信は確認されませんでした。
動画も同じですか?
はい。MP4とMOVについても実際に無音検出・カット・保存まで行い、動画本体をアップロードする通信は確認されませんでした。
通信をまったく行わないツールですか?
いいえ。Webページや処理プログラムの読み込み、ページ性能の計測などの通信があります。「通信をしない」のではなく、「選択した音声・動画をサーバーへ送って処理する方式ではない」という違いがあります。
完成したファイルも送信されませんか?
現在の保存処理では、完成データをブラウザ内で作成し、そのまま利用者の端末へ保存します。完成ファイルをサーバーへアップロードしてからダウンロードし直す方式ではありません。
まとめ
Sakutio 無音カッターは、選択した音声・動画をサーバーへアップロードして無音検出やカットを行う方式ではありません。MP3・WAV・M4A・MP4・MOVを実際に処理して通信を確認した結果でも、音声・動画本体の送信は確認されませんでした。一方で、ページの表示、処理プログラムの読み込み、ページ性能の計測などに必要な通信は発生します。
そのため、「通信がない」のではなく、「ユーザーが選択した音声・動画本体を外部へ送って処理していない」というのが現在の実装に沿う内容です。
今回の確認は、正常なサイト・ブラウザ・通常操作を前提としたものです。端末側の問題や外部からの侵害など、通常の運営・配信処理とは別の要因によるリスクについては別途考える必要があります。
重要なファイルをWebツールで扱うかどうかについては、こうした仕組みと確認範囲を踏まえて、利用者自身で判断してください。